ランナー・ベーカリーの人生録

ランニング・トレイルラン・登山・バイク・旅・キャンプ・料理が趣味で、仕事はパン職人歴約10年の情報発信兼記録用ブログです

当てのない旅~元パン屋の放浪記  二日目 ②地獄の行軍

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 大村市嬉野市

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向うに微かに川棚町が見える

大村のネットカフェを朝の7時に出発して海岸線をひた歩く。途中で写真なんか撮りながらのんびり行っていると靴擦れが気になりだしたので、バス停のベンチに腰を下ろし、はめていた軍手を挟んでみるとこれが意外といい塩梅、これで行くことにしよう。

道すがらお地蔵さんを見かけ、無性に手を合わせて旅の安全を願いたくなった。

昔の人達の気持ちが少し解るような気がする。現代でさえ歩き旅には不安を感じるのに、ご先祖様たちはさぞかし不安だったことだろう。生きて到着できるか解らない時代だったのだ、そりゃぁお地蔵さんにお願いしたくもなる。

しばらく黙々と歩いていくと、東彼杵町に入り嬉野市川棚町に分かれる分岐路にたどり着く。

それを真っすぐに進んで嬉野市に向かう道に入る、ここからは山越えだ。気合を入れて歩かねばならない。

この地域はお茶の生産が盛んで、道中のいたるところにお茶畑やら、製造所やら、卸業者やらが見受けられ、町全体でお茶に力を入れているのが感じられた。

登りも終わるころ、県境の表示が見えた。ここからは佐賀県だ、何だか嬉しくなり市街地までの下りをいっきに駆け下りた。


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嬉野市武雄市

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東彼杵の茶畑

嬉野市に入ると温泉の誘惑に晒され、何度か足を止めて入っていくべきかどうか悩まされる。しかし、まだ目的の半分の距離にも到達していないのと、時間が無いということで断念した。

時刻は昼の1時、市街地にいる内に昼飯を食べておこうと、お店を探すがなかなかお眼鏡に叶うようなお店が見つからない。「観光地だからそれらしい物を」と欲を掻いたのが良くなかったらしい。いつまでたってもお店は見つからず、結局は道すがらのドラッグストアーでパンを買って済ませることに。

歩きながらパンをかじって水で流し込む、悪くはないが出来れば座ってゆっくりしたかった。そうして今度からは食べれる時に食べておこうと肝に銘じるのであった。

パンをエネルギー源にそれから10km、何とか武雄市に到着。本日の目的の1つである温泉を楽しもうと、武雄温泉鷲乃湯に向かう。鷲乃湯は赤い門が特徴の温泉街の一番奥にある立ち寄り湯の温泉である。

1時間程温泉を堪能すると、8時間の歩きの疲れも殆ど回復。そして時刻は夕方の5時、さてさてこれからどうするか。


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武雄温泉 鷺乃湯 | 温泉 | 武雄市観光協会

武雄市佐賀市

そろそろ宿泊場所を考えないといけない時間、武雄市内のビジネスホテルに泊まることも考えたが、旅の初っぱなからそんな贅沢は許されないと却下。

しかし、ネットカフェで済ませるにしても、ここから佐賀市内までの30km近くをこれから歩かねばならない、日も沈みかけている。

数分悩んだが、悩んでいる時間ももったいない。経路を軽く確認して、急いで温泉を後にした。

実際歩きだしてみると、既に40km歩いてきたとは思えないほどに足が軽い

調子に乗ってしばらく小走りに進み続けるが、イメージとは違い一向に目的地に近ずかないので、考えるのをやめてひたすらに足を動かし続けることにした。

到着時刻の予想は立っている、後はその時間歩き続ける事が出来れば到着できるが、休憩すればするだけ当たり前に到着は遅れていく。温泉パワーもすぐに底をついた。

途中何度か野宿も考えたが、佐賀市内まで行くと決めた以上はそれも逃げであると、頑固な自分が許さない。自分で決めたことを守れるのは自分だけなのだ。それができない奴には結局何もできやしない。

歩道が狭い夜道を点滅ライトとヘッドライトの二刀流で照らしながら、走って歩いてを繰り返し続けた。

到着

時刻は夜の11時、ようやく本日の宿に到着。

最後の10kmは疲れよりも足の痛みとの勝負で、ネットカフェで受付を済ませるときは平静を装うのに苦労した。

個室に入り足の状態を確認する。両足の小指が見たことないぐらいに大きく水膨れで腫れ上がっていて、豆も何個か出来ているようだった。

そして何より、足の裏全体がヒリヒリと熱い。

結局この日の実質的な行動時間は18時間、距離は70km近く歩いたことになる、そりゃぁ足もオーバーヒート状態になるワケだ。

シャワーを浴びて、着替えを済ませて、飯をたらふく食べて、後は泥のように眠った。

明日はゆっくり休もう……

あてのない旅は続く。

 

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嬉野市のバス停


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