第三回 Mizukami mountain party 参加記録⑤
お見送りと地獄の入り口
出発すると、集落の方達が手をふってお見送り。
最後は毎度恒例なのか、PVで見たことあるおじさんがテンション高くハイタッチで送り出してくれた。
さて、ここからは「ヤバい!」と噂の登りが始まる。
山道に入ってすぐ「冗談やろ……」、思わず口に出してしまった。
一言で表すと「壁」、木に捕まりながらでないと登れないような箇所も多々あり、ガイドロープが申し訳なさ程度に張られている。
しかもミドルコースの選手達が通った後なので、ぬかるみがハンパない!
皆黙々と登っている、聞こえるのは荒い呼吸音と、たまに悲鳴。
地獄絵図とはまさにこの事、延々と言うより永遠に続くかと思うほどずっとさきまで登りが続いている。
「一気に登って早く終わらせよう」
ノンストップでガンガン登って行く、だが今思えばそれが良くなかった。
最大のアクシデント発生
一時間ほど登り続けただろうか、ようやく平坦な道が出て来た。
その時までは気付かなかった、気を張っていたのだろう。
「右足首が痛い」
炎症を起こしてらしい、若干熱をもって腫れている。
ゴールまで後20㎞程ある、仮に今から全歩きで行ったとしても関門時間19:30に多分ギリギリ間に合う。
取り敢えず「痛くて歩けなくなったら諦めよう」、そう自分を納得させ先に進んだ。
周りは山ばかりで「ここで動けなくなったら遭難だな」、なんて事を考える。
下りは足場が悪い山道・アップダウンの激しい林道に・ぬかるんだ急斜面。
険しい道のりだったが、とにかく前に進んだ。
足の痛みは増していったが、気付かないフリをした。
WSにて水を飲むために、シェラカップを出そうとザックを降ろす。
ジッパーが開いてる……、見事にシェラカップだけ落っことしていた。
しかし不思議とショックは受けなかった、単純にそれどころじゃなかった。
頭の中は「どうやったら完走できるか」、それしかなかった。
しかしこれを書いている現在は違う、「スノーピークのシェラカップ、気に入ってたんだけどなー(泣)」せめてもの供養に拾った誰かが使っていてくれ。
そしてAS4まで残り2㎞ぐらいの所でロードにでた、最早走ってると言っていいのか解らない。
この後、最後の11㎞が良心的なコースであることをひたすら願った。
AS4上球磨消防組合
到着して直ぐに足に水をかけてもらい、少しは痛みが紛れた気がする、時刻は16:15。
そして相変わらず食べた、アイス・スムージー・冷凍フルーツ。
足の痛みも忘れて食べた、こんなうまい食べ物は今しか味わえ無いだろう。
リタイア用のバスにミドルの選手達が乗り込んでいくのが見える。
あれに乗れば後10分で帰れるが、換わりにここまで来た意味を全て失う、等価交換ってのは良くできている。
スタミナには余裕があるが、足の痛みが不安にさせる。
それでも余計な思考にエネルギーを消費させてる場合ではないと、足を動かし早々にASを後にした。
残り11㎞、後一山越えてロード6㎞で完走だ!
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